Leben


by satsuki_ok

将棋

父が生前好きだった棋士「阪田三吉」
とある場所でシミュレーションゲームのことが記載してあったのを見て思い出した。
下品な将棋とも言われたりもしたらしいけれど、
この人の将棋に父はたいそう惚れ込んでいたっけな。

幼い頃、よく父と将棋をした。
一つ一つ駒をもって、それは嬉しそうに説明してくれていた姿が懐かしい。
桂馬や飛車や角が好きだった私は「いらちやなぁ」と父によく苦笑されてたっけ^^;
「歩」がほんまは一番大事なんやでって、将棋を指す度に何度も何度も話してくれたっけな。

若い頃、遊び人でならした父だったけれど、
母と私と暮らし始めてからは見違えるように
そんな世界からきっぱりと遠ざかった人だった。

遊んで暮らしていける、そんな人だったから
母と一緒に暮らしはじめてからも働かない日々が続き
財布の中には一銭もないなんてこともあったらしい。
そんなとき、母は財布を広げて、米びつを開けて
「あら、お米もお金もないわ」といって笑って話したそうだ。
そうすると「ちょっとまっとき」といって、当時はまだ規制がゆるかったのか
「シロタク(素人タクシー)いって、こんだけ稼いできた(笑)」と、母に札を渡していたという。

父の家族は誰もひとり父が働いていることを信じなかったけれど、
私はずっと見てきたから、家族のために一生懸命働いた父の姿を。
父が亡くなり、祖父や祖母が亡くなったとき
遺産相続の話で本家に呼ばれたとき
父がこの家に寄りつかなくなっていた理由が心底わかった気がした。
夏期休暇の時ですら、母が体調崩して本家には行けないというと
「おまえがいかへんねやったら、オレもいかん」といって駄々をこねていた(笑)
「いったい誰の実家やの。。。」と笑ってた母。

想い出っていいね、こんな風に暖めてくれるものがあるって。
本当にこの人たちの子どもに生まれてよかった。
そうしみじみ思えた夜だった。
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by satsuki_ok | 2008-10-30 23:05 | ジジのひとりごと