狂おしい愛しさ

こんな自分なんて知らなかった
割けるような痛み
自分の中心に命があるとしたら
引きちぎられるような悲しみがあるなんて

君を知ってから
知らなかった自分ばかり知りはじめた

あるいは
すでに遠すぎる過去には
知っていたのかも知れない

父を亡くしたあの日
ぬけるような青空の下で
悲しみも透明だった

血が流れ出る拍動にあわせて
更に深く入りこむ傷
鷲掴みにされた心臓
もがくほどに食い込む

いっそ一思いに引き裂いて
君の前に差し出せたなら
狂おしい愛しさの息の根を止められる

君をこの腕に抱き締めるまで
続くだろうこの甘美なまでの苦しみ

その名を
恋と呼ぶのだろうか

それとも君は
運命のいたずらと名付けるだろうか


私のなかの野生が騒がしい
あまりに人間くさい愛だから
獣のような叫びをあげながら
優しい愛撫を繰り返す

愛してしまった
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by satsuki_ok | 2012-12-04 20:49 | fainal