父と母が出会った場所

父と母が出会った場所へ
母と二人でドライブした休日。

日帰り旅行だったから、ぼくの体を心配して、なんだかキンチョー気味だった母。
久々の遠出だからかもしれない。母が体調を崩してから、もう数年来、あの場所に行っていなかった。

毎年、お盆になると通っていた場所。。。
ここ数年で変わっているところもあれば、変わらないところもあって、やはり懐かしさに胸が締め付けられた。
田圃をわたってくる風に郷愁を感じずにはいられない。

言葉もなく、母は歩く。
ぼくは、ぽつろぽつりと、車道側を選びながら、時折つまづきそうな母に手を貸しながら歩いた。
幼かったぼくが、若かりし頃の母に、手を引かれていたように。。。

ある一定の年齢を超えて、母の中で何かが変わりつつあるのだろう。。。
ぼくももう幼い頃のぼくではない。

あまりに長い時間その場所にとどまることはできなかった。
過ぎ去った時間という倉の中に押し込められてしまいそうで、息苦しさに眩暈がする。
想いが強すぎると、人はやはり言葉を失い、ただ埋没していくのかもしれない。

家路に向かう車中では、何かが吹っ切れたように、母はしゃべっていた。
「空がとてもきれいね。。。」
「うん。」
「あのあたりにも住んでいたことがあったのよ。。。」
「そっか」
静かに相づちを打ちながら、ぼくは母の心中をはかりかねていた。

父とドライブしていたときも、一度も横で眠ったことのない母。。
気を使わなくてもいいのに、ぼくにまで必要以上に気を使う母。。
この人の人生は、しあわせなんだろうか。。。ふとそんな風に想って胸が熱くなった。

そんな夕暮れのひとときだった。
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by satsuki_ok | 2005-10-10 03:21 | つぶやき(消耗品)