人の生

鎧を装着
兜をかむり
剣を携え
どこに向かっていくのだろう

馬に乗り
弓矢を肩にかけ
いったいどこに行くのだろう

城はくずれてしまっているのに
助け出す姫君もいないのに
うつろう時の流れの中で
影武者が一人で駆け抜ける

息することすら忘れたように
荒野の闇に消えていく
詩人という亡霊が
語り尽くすことない遺跡
いのちの息吹が聞こえるまで
降り積もる時の砂に
オアシスの幻を見ている

いつのことだったのか
想い出せなくなる頃に
足音も聞こえないほど
しめやかに
その瞬間は訪れて
ぼくを連れ出してしまうのか

普遍と言う名の神は
不変ではなく
生きている証
人が気がつかないほど
ゆっくりと静かに穏やかであるだけで
悠久の時を流れている

愛なんて呼べるほど
ちいさな枠にはまらない
それは自然の中に隠されている神秘
たったひとりの心の中に
潜んでいる神秘の泉
はるか辿りつくまで渇いた魂の旅路

たぶんそれが人の生
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by satsuki_ok | 2006-01-25 22:46 | パンの耳