ゴッホに寄せて

自分の発する言葉の全てが模写に思えて
何一つ新しい言葉がないことに愕然とした日

新しい言葉がもしも創れたとして
その意味を誰も知ることがなかったなら
それはもはや言葉でなく
うめき声なのかも知れない

きっとしぼりだすような
奥底から響いてくるような
空気を稲妻のように走る
そんなうめき声なのかも知れない

アルルの橋の別れ道
究極のところ一番人のためになることは
生きていないことが一番なのだと
勝利者はつぶやいた

浮き世に憧れながら
浮き世を知らない純情の
身を切る叫びは黄色い太陽

模索している内は何も見えない
ノイズを遮断することで
自分の鼓動を確かめて
脈打つ音さえ自分を責める

彼の人生に歓びがあったのか
社会生活から抹殺される才能
混じりけのないラインと色
オーボワールの教会の
鐘の音が時の終わりを告げていた
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by satsuki_ok | 2006-09-23 19:23 | 芸術?