残業

誰もいなくなったオフィスで
カタカタとキーボードの音が響く
シャラシャラと書類の音がこぼれてる
ふと目を上げると外は雨
すっかり暗くなったオフィスから見える駐車場
街灯の明かりがぼんやりオレンジ色ににじんでいる

いつだったか雨の日の夜
にじむ灯りが切なくて
君のくちびるのやわらかさを想い出す
いつの間にか外は雨の夜

空腹をおぼえるように
窓を開けおもいきり湿った外気を吸い込んだ
まるであの日の君の涙に濡れた頬のようで
しっとりと濡れてやわらかだった

ひとしきり幻の君を抱きしめたまま
ぼくは外を眺めていた

誰もいないオフィス
熱いコーヒーを一杯だけ
心の中に流し込んだ

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by satsuki_ok | 2006-11-10 22:11 | poem