氷河のぬくもり

雪が降り積もるように
あの山もこの道も
あのマンションにもこの家の屋根にも
しっぽりと包み込むように
想い出だけが降りしきった朝
全てを覆い尽くしてしまった

何事もなかったのように
あの工場が建てられてことも
あの橋が架けられたことも
花が咲いていたことも
野ねずみたちが巣を抜け出したことも
なにもかも跡形のないように
全てを覆い尽くしてしまった

あなたに恋したことも
あなたと愛し合ったことも
語り合った全ての言葉が
雪に覆われるように真っ白と
心の中にかまくらをつくって

氷河が幾層にも重なるように
温暖化の波にも負けず
透きとおったままで
気化することなく凍らせよう
白クマやペンギンが踊れるくらいに頑丈に
地上の片隅でただひっそりと

新しい日々がはじまるから
今ここから私ははじめよう
一度氷の中で永遠の眠りついて
生まれ変わったように
新しい私をはじめよう

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by satsuki_ok | 2008-02-06 21:18 | poem