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笑顔の連鎖

朝一番に電話が入る。
昨年定年され、今は農業にいそしんでおられる方からだった。
趣味が高じて、ブドウ作りに励んでおられる。
「農協に出荷する前に、うちにおいで」とのこと。
急いで支度をして、愛犬とドライブ。
しばらくすると、道沿いに見えてきた作業服姿で待っていてくれた。
「朝一番に採れたブドウだよ」といって、手渡してくれた。
一年間、大切に育てたブドウ。
一粒一粒がピンポン球みたいに大きくて真っ黒な立派なブドウだった。
生真面目で一本気で一生懸命だったその人のブドウは
とびきり甘くて実りの深さを想わせた。
彼の一生が現れてるような本当に立派なブドウだった。

いただいたブドウを届けたいと真っ先に浮かんだのは、モモ農家の方だった。
今年の夏、丹誠込めて作られたモモを選び抜いて
進物用にしてくれた方だった。
ご夫婦が作られたモモは、札幌と山形と名古屋に届き
いずれの方からも笑顔とうれしさのこもったお便りをいただいた。
あの喜びを伝えたくて、モモ農家のご夫婦に会いに出かけた。

満面の笑顔。
いつもこのご夫婦に会う度に、心が洗われる。
純粋な美しさが溢れている方たちで、笑顔がともにすばらしい。
小一時間かけても会いに行きたくなる理由はそれかもしれない。
お二人に喜んでもらいたくて届けたブドウは
今は遠くに住んでいる娘さんへと届けられることになった。
見るなり「娘に食べさせたい」と思った母心なのだろう。
今朝方自分が買ったブドウを箱から取り出し、すべて娘さんへの荷造りにしようとする。(笑)
かろうじて、一房だけは手元に置いて食べていただきたいと伝えたけれど(笑)

懐かしかった。
学生時代に母から送られてきていた段ボール。
なかには服と一緒にお菓子やらくだものやら
インスタントラーメンまでいっぱい詰まっていたっけ。
入るだけ詰め込んでぎっしりと。
友人たちがいつも心待ちにしていたっけなぁ、私以上に(笑)

きっとあの娘さんもいつか懐かしむときが来るのだろうね。
あの荷物の重さが母の愛だったと。


そんなことを想って、心から澄み渡るような一日だった。
by satsuki_ok | 2008-09-07 22:31 | ジジのひとりごと