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静かな愛

あなたの視線の先に
あなたの瞳の中に映るのが
たとえぼくでなかったとしても
あなたが今しあわせなら。。。なんて
どれくらいの時を費やせば
ぼくは恋を悟ることができるのだろう

恋は奪うもの
愛は与えるもの

奪うことができず
手折ることができず
そっと胸の中にしまい込み
誰に告げることもなく
砂時計が堕ちていく

限られた時間と空間の中でだけ
夢みるようにあなたを想い
手のひらにサラサラとこぼれ落ちる
あなたの髪をすくように
通り過ぎる風を見つめている

あれはいくつの時だったろう
こんな風に熱い想いを秘めたまま
頬に滴る雫をぬぐいもせずに
星空を眺めていた

そしてぼくは恋をする痛みとともに
静かな愛を知ったのかもしれない
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by satsuki_ok | 2006-11-26 19:48 | poem

友人

間の抜けたような昼間の繁華街
しっとり濡れた路面に君の姿が映っていた
欲望も想い出もすべてを知り尽くしているかのように
どの街で出会っても変わらずに君が君であることが
ぼくにはうれしかった

君のくちびるが触れたストローに
柄にもなくときめいてしまって
少しだけ無口になったけど
あの頃と変わらない君の笑顔が
こころの端までしみてきた

こんなにも自然にいられことが
なんだか不思議なほどに
同じように年を重ねてきた

語り尽くせない想い出たちが
いつのまにか二人の間にできてしまっていて
遠くなった過去のよるべなく川岸に佇むように
小雨にうたれるままに近い現実を歩いていた

まるで連れ添いあげる夫婦のように
こんな風に時々一緒の時を過ごすのだろうか
いつのまにか隣にいて
離れていてもお互いを感じあえる

大切な友人
出会った頃は原石だった関係が
時に削られ質感が増してきた
限りなく愛に近い関係


~道頓堀にて~
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by satsuki_ok | 2006-11-19 23:04 | poem

残業

誰もいなくなったオフィスで
カタカタとキーボードの音が響く
シャラシャラと書類の音がこぼれてる
ふと目を上げると外は雨
すっかり暗くなったオフィスから見える駐車場
街灯の明かりがぼんやりオレンジ色ににじんでいる

いつだったか雨の日の夜
にじむ灯りが切なくて
君のくちびるのやわらかさを想い出す
いつの間にか外は雨の夜

空腹をおぼえるように
窓を開けおもいきり湿った外気を吸い込んだ
まるであの日の君の涙に濡れた頬のようで
しっとりと濡れてやわらかだった

ひとしきり幻の君を抱きしめたまま
ぼくは外を眺めていた

誰もいないオフィス
熱いコーヒーを一杯だけ
心の中に流し込んだ

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by satsuki_ok | 2006-11-10 22:11 | poem